お散歩にでかけて愛犬が電柱や草木のニオイをクンクンと嗅いでいるとき、「急いでいるから」「衛生的にちょっと……」とついリードを引っ張ってしまうことってありますよね。

もちろん狭い道路などでほかの通行人の迷惑になる場合は別ですが、公園や人通りの少ない道では、思う存分「ニオイ」を嗅がせてあげることで、愛犬のストレス解消にもつながります。

今回のテーマは「犬の五感」。ワンちゃん目線でわくわくするお散歩のポイントを考えてみたいとおもいます。

犬が嗅覚から得る情報の割合は人間の40倍!

人間を含む動物はすべて「五感」から得る情報で世の中を見ています。しかし五感の中でそれぞれの感覚が占める割合は、動物によって異なることを忘れてはなりません。

例えば人間は視覚から得られる情報が87%を占め、周りで起こる出来事のほとんどを目で見て判断していることが分かります。次に多いのは聴覚で7%、触覚が3%。嗅覚についてはわずか2%しかありません。

一方で犬の場合は、嗅覚が占める割合が最も多く、全体の40%。次いで、視覚が30%、聴覚が15%、味覚が10%、触覚が5%と、あらゆる五感をフルに活用して暮らしています。

嗅覚だけに注目してみると、犬が五感から得る情報の中で「におい」が占める割合は人間のなんと40倍!

つまりお散歩中にまったくにおいを嗅がせてあげることなく、すたすたと歩いてしまうのは、視力の悪い人がめがねやコンタクトレンズをつけずに人と会話をしているような状態。相手の表情や仕草がよく見えないと不安になるでしょう。

それと同じことで、ワンちゃんもニオイを嗅ぐことを禁止にされると、フラストレーションがたまってしまうのです。

マーキングは「ニオイによる会話」をしている

犬同士は、嗅覚を使ってメッセージを送り合っています。例えば、お散歩中の問題行動としてあげられる「マーキング」。愛犬が行く先々でおしっこをしたり、臭いものに体をこすりつけたりして、困ったことのある方も少なくないはず。

最近の研究では、このマーキングは「情報交換」をしているのではないかと言われています。「オレ様はここに来たぞ!」「僕も来たよ!」と伝言を残し、ニオイによる会話をしているらしいのです。

お尻のニオイを嗅ぐのはこんな理由が…!

また、散歩に出かけてほかのワンちゃんに出会うと、よく相手のお尻に鼻を近づけてクンクンとすることがありますよね。

人間からみると「なんだか下品!」「恥ずかしい!」といった感覚を持ってしまいがちですが、犬にとっては「挨拶」のようなもの。

犬の肛門の両脇には「肛門腺」という分泌器官があり、ここにニオイのもととなる成分を蓄えています。このにおいは、いわば人間のビジネスシーンにおける名刺のようなもので、「僕はこういう者です」という情報がつまっているそうです。

知らない犬同士が出会うと、まずは肛門のにおいを嗅いで、気が合いそうかどうかを判断するのが犬の習性なのです。

これほど「におい」がワンちゃんにとって重要なコミュニケーションツールであることが分かると、普段のお散歩もたくさんクンクンさせて、ストレス解消させてあげたくなりますよね。